子どもへの暴力防止プログラム===講師:重永侑紀先生(にじいろCAP)

子どもへの虐待の背景には「力の不均衡」があり、それはそのほかの多くの差別(DVやパワハラ、女性差別)にもする。その歴史的流れや考え方のズレを丁寧に理解してゆくことが、子どもへの理不尽な暴力(身体だけでなく無視や心理的暴力も)に気づける保育者になります。

「あんしん」「じしん」「じゆう」というCAPのキーワードは「人間の基本的な権利」であり、これが奪われたら「人権が侵害された」ということですが、これを幼児にも分かるようにロールプレイや絵を使って伝えます。子どもたちは「安心がなくなることや」「自信が奪われることを」しっかりと「NO!」と言っていいことなのだと理解します。

様々な子どもへの暴力・犯罪から子どもを守るためには、「危険だから近寄るな」「怖いから話しかけられても話すな」と教えることではなく、「どのようなことがおきたら『安心ではなくなる』と気づき、どう対処したらいいか」を安心できる人間関係の中でシミュレーションすること・・、重永先生の講座が進むにつれて「子どもたちが自分の自信を持って生きてゆくための環境」に敏感になってゆく自分を感じます。

子どもだけでなく、女性にも「痴漢注意」や「痴漢対策の護身術授業」などという看板や対策は、被害者に「注意しなかったおまえが悪い」「ちゃんと身につけておかなかったからだ」という責めを背負わせる行政や教育の暴力です。「痴漢は犯罪です」という看板に作り替えられた地域が増えてきましたが、「男子の性教育」などは日本ではまだまだ不十分です。

園での取り組みとしては、保護者や保育者対象、子ども対象と丁寧に積み重ねてゆきます。このCAPプログラムを10コマ受講できる機会は、なかなかありませんね。

第1月の3週間が終わると、1週間は講座がありません。

この期間は実習や見学、自分の園に帰って事例研究に提出するケースをまとめたりします。

2012年度秋期の受講生は、所長が関わっている保育園(長崎・佐賀)を見学し、第2月で取り上げられる「育児担当制」や「総合芸術療法としての保育」の実際を体験しました。

育児担当制保育(長崎・鴻ノ巣保育園)

公立保育園の委譲により、3年前から育児担当制を導入した園。年齢の低い子どもたちからその効果は年々明らかになり、「自分を一貫して見守ってくれる人がちゃんといる」ことが、子どもたちを落ち着かせ、発達を促すことを実感することができます。

園芸を基盤にした保育実践(佐賀・友朋会みどり保育園)

園芸療法士や陶芸療法士が同じ法人内の病院にいることを生かして、子どもたちが畑作りから造形や音楽など全ての保育領域、運動会、作品展など全ての行事を連携させて実践している園を見学します。

運動会のために野菜神輿を大型造形していた子どもたち。「眞理子先生~!スイカは緑に黒じゃないとよ!」と掛け寄ってくるAくん、「え~?緑に黒じゃないと?」「うん!黄緑に濃い緑!」確かに、目の前のスイカは見事に本物の色をしていました。

子どもたちの体験から出てくる言葉はそのまま詩になって歌になり、畑への行き帰りに歌います。観察力、表現力、コミュニケーション能力・・全ての発達が生の体験の中から紡ぎ出されてくる姿を見学させてもらいました。

この見学は、カリキュラム「芸術療法」に繋がっています。

コメントは受け付けていません。