地獄絵図を子どもに?!

「地獄」というタイトルの絵本。これがいま、しつけの本としてベストセラーだという。「○○の奴は地獄に落ちるぞ~」という脅しを絵にした地獄絵図。寺院にあるそれを絵本にして出版社が売り出したのは何年も前。ほとんど見向きもされなかったその絵本が、なんと大人向けの漫画の中で「これを読んだらうちの子は言うことを聞くようにいなった」という取り上げられ方をしたとたんに、親たちがこぞって買い、いま品切れだというのだ。
それを取り上げた深夜のニュースがyoutubeにアップされていた。

これは断じて保育ではない!
まずこの地獄絵図は、子どもに向けて描かれたものではない。だから、子どもにとっては過剰な残酷さが遠慮なく描かれている。子どもにとってこれほどのショッキングな視覚刺激を与えてしまったら、フラッシュバックやPTSDの責任を誰がとるのだろう。
そして、この映像にある保育園。ここの園長は全ての子どもの親にこの人体実験をする許可を取ったのだろうか?そして子どもたちは、何も予告されずにこのような脅しに晒されて、どれほどの恐怖心を持ったのか、その後遺症は一体誰がいつまでフォローするのだろうか?

この絵図は、いわばR15指定である。そのようなものを幼児に見せた(DVを見た子どもと同じ)虐待の罪状は誰が背負うのか?

昨夜、学生の一人から入った1通のメール。それがこの絵本の存在を知らせてくれた。ブームだなどと許してはならない。子どもたちの心が悲鳴を上げている声が聞こえる気がするのだ。

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