子どもたちの発想はどこまでも・・・

昨日は佐賀→長崎での保育指導。

私が5年くらい関わっているある事業内保育園でのこと。

ここでは、年長児を中心に1年間の畑仕事をベースに、様々な造形や歌つくりなど保育のあらゆる分野に展開してゆく保育を実践しているが、毎年子どもたちの発想に感動する。
夏祭り(運動会)の御神輿も、毎日世話をする野菜たちをモデルに作るからその迫力は凄い。
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去年はたった二人の卒園生だったが、一人はキューリ、一人はピーマンにこだわって1週間以上掛けて作り上げた。
さあ、年度の終わり、先生は「ラディッシュちゃん(ずっと畑でみんなと一緒にいろいろしてくれた妖精?)にお手紙を書こう!」と提案した。ところが子どもたちは、「どこにお手紙を出せばいいのだろう?」「ラディッシュちゃんの家はどこだろう?」と、まず手紙の届く先を探すことになった。
畑の土の中を掘る、石垣の石をどかす、草むらをかき分けて探す・・なんと1週間ほど探し回ったあげく、「ラディッシュちゃんはこれから女王様になるから王国がいるんだ。王国を作ろう!」となり、段ボールでは雨が降ったら破れる、粘土は・・ととうとう畑の守り神を作ったのと同じ陶芸用粘土でお城をを作ることに。
しっかり設計図(もちろん郵便受けもある)を書いて、制作開始。
ところが、「僕たちが作っていることが分からないとラディッシュちゃんがここに住んでいいかどうか分からないから・・」と、子どもたちは毎日畑まで(子どもの足で15分ほどの坂の上)粘土とシートを運んで、畑の横で制作すること1週間。
できたお城を同じ法人内の病院にいる陶芸療法士に焼いてもらって、できあがったのは卒園後。でも保護者と一緒に土曜日に園に来てくれた子どもたちは、焼き上がったお城を自分たちで畑まで運び、考えた末に「自分たちが王国を作成した場所」に置くことにした。
この子どもたちのこの園での成長が象徴されているようなお城が、畑仕事をする下級生を見守る。
お城のお風呂は雨水を溜めるためにほかの屋根とは違って、取り外せるようになっている。雨を溜めてお風呂をいっぱいにして沸かすが、ラディッシュちゃんが入る時に恥ずかしくないように取り付ける小さな屋根もある。14042301
子どもたちの発想の拡がりを、担任は感動の涙で報告してくれた。

 

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